オートバイレーサーの患者様よりお話をいただきました

2019年5月15日

オートバイのレーサーである患者様より、歯科治療がレースのパフォーマンスに与える影響について考察したお手紙をいただきました。
私たちの治療が好結果に結び付いたことを、嬉しく思います。

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「オートバイ ロードレースにおける歯科治療とマウスピース使用の効果の考察」

いろいろなスポーツにおいて、力を出す際に奥歯にて食いしばりをする。
自然と行ってしまう行為だが、虫歯、歯の欠損や咬み合わせの不具合がある場合、食いしばりによる力が均一に加わらず、一部の歯に力が集中して加わってしまい、歯や歯根、歯茎を傷めて その痛みや違和感によって集中力が低下し、パフォーマンス低下に繋がる。

私の歯の場合、右上顎の奥歯の5番、6番、7番が虫歯や食いしばりによる割れにより欠損してしまっていた。
また長年歯科治療を怠っていたため、多くの歯が虫歯となっていた。
虫歯により時々痛みがあったり、咬み合わせが悪くなっていた。
欠損してしまった歯ををインプラントにより、復元して貰った。
入れ歯とやブリッジと異なり、顎骨にインプラント歯根が埋没されていることでしっかりと噛めるようになった。
更にその他の歯も虫歯治療を行うなかで咬合(噛み合わせ)や上下の歯の咬合圧や隣り合った歯のクリアランスが適正になるように治療を進めて頂いた。
そのお陰で、どの歯においても、しっかりと噛む事が出来、その際に高さが高いと感じる事はなく、均一な咬合圧となった事と歯同士が適正な位置にあることを実感できた。

咬合圧が均一であることで普段から歯に意識を持って行かれる事がなく、オートバイの運転操作においても集中出来るようになった。
つまり、同じコースを周回するロードレースであるが、その一瞬一瞬において車体状況、路面状況、他車との位置状況が刻一刻と変化して同じ状況は一つとしてないので、瞬時にその状況に応じた判断・操作をする必要があることから、集中力が欠けた場合、タイムロスだけでなく転倒のリスクもある。
そのリスク回避のためにも、痛みの無い歯、噛み合わせて違和感が無いことが重要である。
もう一つの効果を加えると、食事の際の咀嚼が充分に出来るようになり消化器の状態も良くなり、必ず毎朝 排便をするようになった。

歯科治療による咬合の適正化に加え、歯型を取った上で製作するスポーツマウスピースは、その使用による歯の保護目的の他にパフォーマンスの向上が各スポーツにおいて認識されている。
オートバイ ロードレースにおける効果は、前述の食いしばりによる歯の保護は勿論だが、クッション性のある素材であるため、過度に食いしばる事もなくなり、リラックスが出来た事である。
リラックス出来ると言うことは、判断や操作における集中力が増し、パフォーマンス向上に繋がるという事である。
加えて、強く食いしばると自然と舌を上顎に押し当ててしまい、その結果、気道を狭くしてしまう。
スポーツマウスピースの使用によって直接上顎に舌を当てる事無く、マウスピースが間にあることで、舌が下方に位置し気道が狭くなる事を防ぐ効果がある。
脳や身体への呼吸による充分な酸素の供給は、集中力、判断、身体パフォーマンス発揮において非常に重要である。

実際の効果であるが、筑波サーキットで春と秋に開催されているレースのテイストオブツクバで私が参戦しているZERO2クラスにおいて歯科治療が未完でマウスピースの装着前のレース公式タイムは1分6秒244(予選5番手タイム)であったが、治療を終えマウスピースを装着して6か月後に開催された同レースでの公式タイムが1分5秒530(予選4番手タイム)とおおよそ0.8秒のタイムアップの結果となった。
どのカテゴリーのレースにおいてもコースレイアウトやレギュレーションによる車両の規制により上位のタイムは拮抗しており、上位になるほどタイムアップをすることは大変なことであるなかで0.8秒のタイムアップは非常に大きい。
ちなみに優勝ライダーのラップタイムは1分4秒台である。
レースに使用した私の車両や路面コンディションは何れのレースもほぼ同じ状態であった事から、このタイムアップはマウスピース使用の効果によるところが大きいと思われる。
35台で行われた決勝レースにおいても、スタート後の混戦で一時、順位を大幅に落としたが終始リラックスして集中力が持続し、レース中に3台を抜くことが出来て初の6位入賞で表彰台に上ることが出来た。

最後に歯の欠損や多数の虫歯治療を根気よく行っていただき、マウスピースの製作を行って頂いた 呂歯科診療所の呂院長先生をはじめ、スタッフの皆さんにここに感謝を申し上げます。
引き続き歯のメンテナンスをしっかりと行い、更なるタイムアップと上位入賞を目指して頑張りたいと思います。

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